国宝をいまさら見た。
- ワークライフバランスがテーマの映画として見た。よくある、仕事全振り、から更に進むと、まわりの人間の権利を侵害していく、というマイナス状態になる。
- 家をつぐ、世間に説明する、など、体裁がすべて。家って概念で存在しないものなのに、大事にしている。人間国宝も概念
- 既存の権威に認められて舞台に復帰するのも嫌すぎる
- 同じ演目を何度も繰り返す、その過程で登場人物の関係性が変わっていく、という構造はおもしろいと思う
- 同時に、同じことを何度もやっていて嫌すぎと思う
- 探している風景についに出会う、というのも安直でつらい
それを上回る映像の美しさがある、とか、そこまでして芸術に打ち込む悪魔的な営みなんです、それを描いている、という見方もありそうだけど、描かれている行為が嫌すぎで、リベラルな人にとっては苦手な感じの映画だと思う。
よかったところは音。着物がしゅるしゅるいう音だけを拾っている。現実の鑑賞ではありえない音量で布擦れの音を聞くことができる。
歌舞伎の笛や太鼓の音があるなかで、そこに別の音楽を堂々と被せてるのも良かった。歌舞伎を舞台としてみせるつもりはなくてかっこいいオブジェや素材として扱っていると思う。
ただかっこいいだけで内容は苦手なことには変わりない。撮影に使った舞台もいいし、演技も良い。でも内容が嫌すぎ。ワークライフバランス版ゾンビが出てくる、ワークライフスプラッター映画として見ると、そういうものかな?とい気もしてくる。ゾンビ映画も、腸のシズル感は良いけど、内容はあんまり好ましくない、というものが多い。