hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

SNSへの投稿の炎上リスクを評価してくれるカスタムGPTを作った

SNSへの投稿が炎上する場合って、無邪気に書いて投稿した結果、検討していなかった軸で見ると、問題があるように見える、という形が多いと思う。
炎上させるぞ、と思って投稿しているわけではなくて、本人が想定していない読解によって、意図しないトラブルが発生している。

  • 投稿:ふるさと納税で淡路島のホテルに来ています。ランチは淡路牛。
  • 筆者の考え:皆に淡路島の魅力を伝えたい
  • 炎上視点:ふるさと納税でホテルに行ける財力をアピールしていて感じが悪い

国語の授業では筆者の考えを読み解きましょう、となるけど、投稿の炎上というのは筆者の考えとは異なる、攻撃力が最大となる軸を発見し、苦言を呈する、という構造。

ベテランのインターネットユーザーなら過去の数々の炎上を体験していることだと思うけど、ベテランになってくると、その投稿まずいんじゃないですか…って身近な人につっこんでもらえにくくなる、という構造もある。
つっこんでくれる人がいるとしたらたいへん親切なことで、普通は、変なことを書いてても、指摘したとして、こちらになんか言われても嫌だし、また暴れていて仕方ないな…みたいな立ち位置になることもあると思う。

  • 投稿:最近の若者は手でコードを書かずAI任せ。私の若い頃はパンチカードでコードを書いたものです
  • 筆者の考え:努力する苦労を伝えたい
  • 炎上視点:上から目線、古い考えで凝り固まっている
  • 近しい立場で見ると:また上司が炎上しそうなことを書いてるな、でも関わるとこちらまでなんか言われそうなので黙っとこう…

こういう見落としチェックはAIにやってもらえたらいいと思うのでカスタムGPTにした。
chatgpt.com

社員の権利を無視した施策を発表すると、それはまずいです、と教えてくれる。

性格が悪い地方ツイートに対しても、いけず、マウンティングの恐れを指摘してくれる。

無料の食べ物を使ったハックは炎上しがち、ということも事前にキャッチしてくれる。

自然環境についての投稿も、ちょっと冷笑度合いが過ぎている、と教えてくれる。

という風に使える。
こういうことをやるプロンプトを仕込んでいる。

  • 問題のありそうな軸(炎上リスク、ブランディング毀損リスク、法的リスク、マウンティングリスク、いけずリスク)をそれぞれ評価する
  • 炎上リスクが高ければ投稿を控えるのをおすすめし、そうでなければ、投稿を添削する
  • デジタルウェルビーイングの観点で、こんな不毛な投稿をやめて、なんか別のことをしようよ、と諭す


インターネットに閉じた形なら、表現をまろやかにして投稿することを促そうとしそうだけど、現実世界で別にアクションして解決してもいいし、解決しなければいけない、というわけでもない。そもそも、そういうことはインターネットに持ち込まず、SNSに書かないほうがいいんじゃないですか、と言ってくれるようにしている。
街で嫌な感じの行動を見た、とか、隣の女子高生が無礼な発言をしている、とか、久しぶりに会った姪っ子が変なことを言ってるとか、イラッとしてSNSに書こうとしたときなどに、いきなり投稿する代わりに、このGPTに投げつけると、冷静な反応をくれる。
炎上する投稿は著者になんのメリットもなく、一方、SNSのサービス運営者にとっては、それでタイムラインを見る人が増えれば広告の表示回数も増えて事業が成長する、という、ユーザーとサービス提供者で利害が反することがある。
長期目線では、このSNSに書くとだいたい炎上する、という評判になればサービス自体の価値も毀損されていきそうなものだけど、いまのところは、いま話題、といって炎上している話題がおすすめされていて、クリックしてみると全員怒っている、という風景が見えている。
そこから抗うためには、書かなくてもいいことは書かない、炎上しそうなことは書かない、という自衛が役立つと思う。

こういう日記を書くときにも、ざっと書いてから、ChatGPTに「日記を批評してください:(ここに本文)」として送りつけて感想をもらっておくと、思わぬ軸での読解を避けられると思う。

参考書籍

これは基本編。どんな文章でもマウンティングという視点を持ち込んで読み解けるようになる。


これは、京都に住むうえでは知っとこう、と思って読んだけど、この本自体の口が悪すぎてかなり衝撃を受けた。
この本によると、いけずには悪意は無く、一見取り繕っているように見えるけど本心は別、ということらしい。口に合わないものを食べて、おいしすぎて涙が出る、というなど。
自分が京都に住んでいる、というのもあるけど、特定の地域でだけ存在する形の視点で、生粋の京都人だけが定義して攻撃ができる軸、として個人的に注目している。


これはアテンションエコノミーから離れよう、という本。
バードウォッチングを続ければ、どこにどんな鳥の個体(種別ではあくて)がいるかわかるようになりますよ、というのが、SNSでバトルしている我々の暮らしとのギャップが大きくて、遠いところまで来てしまったなあと思う。