作品賞取った作品を見て回るシリーズで「アーティスト」を観た。サイレントシネマからトーキーに移行する時代を描いた10年前くらいの映画。撮影しているのは現代なので、音を出そうと思えば出せる、ということが巧みに演出に組み込まれていておもしろい。音と映像が合いすぎることは現代ではミッキーマウシングといって避けられているけど、この作品では思い切り音と映像があっていて楽しい。サイレントであっても笑えたり緊張感があったりするので、映像と音だけで人とこれだけ心を通わせられるんだな、と感銘を受ける。だんだん喋ってはいけないみたいな気持ちになってきて、観終わったあと声を出すのになんとなくためらいがあった。