アウシュビッツに収容されたのちに無事開放された精神科医の本.
開放された仲間が,筆者は麦を踏むのやめましょうって止めるのだけど,今度は自分が好きに権力や暴力を行使していいと思いこんで,麦の畑を踏んでいったという話が印象的だった.
「なんだって? おれたちがこうむった損害はどうってことないのか? おれは女房と子どもをガス室で殺されたんだぞ。そのほかのことには目をつぶってもだ。なのに、ほんのちょっと麦を踏むのをいけないだなんて……」
女房がガス室で殺されなくても,日々の暮らしでも,不満なことがあっても,だからと言って自分も同じことをやると,信用を失ってしまうと思う.
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
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