hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

AIを使って時間短縮していくときの気持ちが便利家電を同時にいくつか使っていくときの気持ちと同じ

ロボット掃除機を使うと、人間が隅から隅まで掃除機をかけるかわりに、ボタンを押したらある程度やっておいてくれるし、掃除中は見てなくても進めてもらえる。
ただし、そこは念入りに、など、細かい注文はやりづらい。
ロボット掃除機と洗濯機を同時に動かすこともできる。人間がそれぞれ手作業でやっていたら、それぞれ1時間ずつなら2時間消費するところが、電気の力でそれぞれ自走してくれるので、2並列で、1時間で終えることができる。
より便利家電を集めていくと、炊飯器を動かし、オーブンで鶏肉を焼いて、ごはんの準備をさせることができる。

どの場合も、使うぞ、という始点は人間で、途中を便利家電がやってくれて、結果の解釈や、決断はふたたび人間。
スケジュール機能があったりするけど、スケジュール機能を使うと決めるのは人間。
排水に失敗している、といったエラーのお知らせはやってくれるけど、直すのは人間。黒焦げの鶏肉を食べるか決めるのも人間。食べなさい、とオーブンが口に入れてくれるわけではない。

ところで、AIを使って、品質はそこそこに、加速、時間短縮できる可能性がある部分はどこ?と考えると

  • 一人での作業
    • ウィンドウを裏で置いといて進めてもらうことができる
    • あるいはissueにAIをアサインするとエージェントとして進めてもらえる
    • 結果は別の人間が確認する。チーム開発において、AIが書いたコードを依頼者が承認してマージしたら心配で、もう1人の目は通したい。
  • 人と人との待ち時間の間
    • 人に見て貰う前に、まずAIに見てもらうことで、単純なミスには気付ける可能性がある。人にインデントをチェックさせず、lintを使って機械的にチェックしよう、と似た考え方
    • 明日のMTGでレビューしてください、だと明日まで何も進まないが、AIにレビュー、ならいつでも誰も待たずに進めることができる。まずはセルフレビューしてね、と同じ考え方
    • 「これだけAIに壁打ちしてもらったんだからこれで完了とする」にはまだ至らず、人間のダブルチェックが欲しい場面で省略は、まだできない
  • 検討材料、選択肢を増やす
    • プロトタイピングするコストが下がるので、机に向かって検討ではなく、何案か作ってみて結果を観察する、という、より経験主義なアプローチが可能になる
    • 検討した結果、設計ドキュメントとして人間が見て検討、決断するのは変わらない


こう見ると、ワークフローは何も変わってない。人間→人間、から、人間→AI→人間、とか、(人間1←やりとり→AI)→人間2、という形で、途中で挟まったり、ループが入ったりしているだけで、始点と終点は同じ。
ただ、自分でやらなくていい、というのがポイントで、依頼したら自分でやらなくても何かしら結果が出てくる、ということは、急ぐ、というアクションが第一にはならず、いかに非同期に、裏でAIにやっておいてもらうか、という家事時短テクニックのような考え方が重要になってくる。
「段取り」として、「今のうちにこれをやっておいたほうが良い」とか言うことはあったけど、それが「今のうちにこれを投げておいたほうがあとで結果を得られて良い」と変化する。
いかにうまくホットクックの仕込みをして、夕飯のおでんを作る工程を非同期に行うか、というスキルが、ここで活かされてくる。
忙しいときの振る舞いが、急いで考えて急いでタイピングする、から、全員がアルバイトにタスクを采配するような状態に、時間の細切れ感やタスクの並列度は上がっていく。
同時にいろんなことをやるのが苦手な人には、つらい時代が来るかもしれない。