hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

育休を取得してから復帰するまでのまとめ

4〜6月まで、育休を取得していた。こまごまとした出来事があったので、育休を取得して復帰するまでのことをまとめておく。

育休について

育児休業は国の制度で、会社の制度ではない。よく、何ヶ月か休むんです、と言うと、いいですね、うちの会社にはそういうのがなくて、と返されたりするけど、国の制度なので、まともな会社なら、ないことはないはず。ないように見えているとしたら、制度としてはあるけど雰囲気的に取りにくいか、本当に違法な状態で制度がない、ということらしい。
もう一つ、あまり知られていないこととしては、育児休ではなくて育児休である、ということ。僕もしばらく知らなくて途中で気づいた。

前提

職業や労働環境が違うとぜんぜん違う話になりそうなので最初に書いておくと、Webアプリケーションエンジニアをしていて、ここ一年ほどは自宅からリモートワークしていた。
採用情報はこちら。全員応募してください。
hatenacorp.jp

育休に入るまで

3月末に出産予定で、昨年末くらいから準備していた。後の人々の役に立つかと思って、いつごろ何をやったかのメモを残しておいたので、そこから紹介する。

2020/11(出産4ヶ月前)
  • 安定期に入るのを待って、チームの上長にSlackのDMで共有した
2020/12(出産3ヶ月前)
  • 仕事の引き継ぎなどもあるのでチーム内に共有した
  • 一緒にやっているメンバーと、僕が居なくなることで滅びそうなところがないか確認した
    • 属人化している部分は育休までに別メンバーに引き継ぐ予定だったので問題無し、と確認できた
  • 制度面についてあまり知らなかったので、会社の資料を読んだり、厚生労働省のページを読んだりしていた
2021/1(出産2ヶ月前)
  • 採用関係の仕事もやっていたので、面接に出たり書類を見たりするメンバーを増やしていった
    • まずはカジュアル面談に何度か出る、面接にサブ担当として出てみる、面接にメインで出る、みたいな流れでキャッチアップしてもらう
  • 上長と面談して、育児への関わり方としては、子の面倒を見るだけでなくて、保育園の事務手続きを巻き取るなどの活躍もできる、とアドバイスもらえた
    • アドバイスが参考になって、誰でもできる事務手続きはTodoリストに入れておいて思い出したらやるようにしている
  • この頃は慣れてきたら半育休という形で月10日まで働くつもりで計画していて、メンターが5人いるのでどうしよう、1日1人と話すなら5日出社して…とか考えていた
2021/2(出産1ヶ月前)
  • 厚生労働省のガイドライン(後述)が出たことで会社としては半育休を認められなくなった、のでしっかり休んでください、という方向性になった
  • 完全に休むので、メンターとしての仕事も全部手放すことになって、メンティーを5人くらい見ていたのを引き継いでいった
  • 人事評価とかボーナスの計算方法とかを人事の方に聞いた
    • 普段の人事評価では給料上がって行ってたので参加できれば得だと考えて、人事評価に参加できる範囲の期間で休んでみようと思い始める
  • 仕事の知見を分散させていく
    • 新しい種類の話題がでてきても自分でやらず、知識を持ってる人を増やすためにチームメンバーにお願いする、ということを徹底していった
    • その結果、育休中にDMが来てここどうなってるんですか、みたいなことは無く過ごせてよかった
  • 仕事は終わらせる
    • 中途半端な引き継ぎが始まるとすごくたいへんで、育休に入る前にリリースがあったので、気合でなんとか終わらせた
2021/3(出産0ヶ月前)
  • 帝王切開で無事生まれてきた。オフィスの近くの病院だったので、もうすぐ、というときにオフィスをフラッと出ていって、生まれる様子を見守ってからオフィスで仕事再開していた
  • 入院中は着替えや、妻が食べたいものを聞いて送ったりなど、病院によく通っていた
    • 病院でも、新型コロナの都合で入れるのは受付までで、妻子には会えないので、子の様子は写真を送ってもらったりビデオ通話したり
  • ありがたいことに出産祝いが大量に届いて、毎日ダンボールを畳んでいた
    • 誰からいただいたか記録するために、送り状を捨てずに残しておいた
  • 親と同居しているわけでもなく、初めてのことで不安だったので産後ケアというのを使って妻にはしばらく入院しておいてもらった

育休中の暮らし

これは混沌そのもので、思い返すと、いつ何をやっていたか、記憶が曖昧。
子が2〜3時間ごとに起きて、必ずミルクを飲ませたりおむつを変えたりする暮らしが続くので、日付の概念が失われてていく。そういう暮らしは当然やったことがなくて、1日18時間くらいパソコンを見ていればいい暮らしだったので、変化が大きくて参っていた。
ただ、毎日家で子の顔を見ていると、最初はモグラみたいな見た目だったのがだんだん表情が変わっていったり、周りの物を見るようになったり、手をなめるようになったり、できることが増えていって、仕事してるとこんなに細かくは見てられないだろうから、そこは嬉しいポイントだった。
暮らしについては毎日この日記に書いていた。この記事と話題がかぶる所もあるけど、おすすめはこのへん。

半育休について

育児休業のブログを読むと、よく半育休の話が出てくる。これは月10日、20時間までは働いていても休業とみなされる、というもので、週に1日か2日ずつ働けるので、会社の状況をキャッチアップするのに便利だった。
昨年12月に厚生労働省が出していたガイドラインによって、定常的に出社することは認められず、緊急事態でその人にしか分からない、みたいな場合でないと、出社が認められなくなってしまった。
復帰する道筋を描けないなら育休を取る人も減ってしまうと思うので、もうちょっと使いやすくなると良いな、と思う。
www.mhlw.go.jp
と思っていたら最近出たニュースで、所定労働日の半分まで働けるようになりそうだった。ありがたいことですね。
www.nikkei.com

お金について

育児休業給付金として、毎月ふだんの給料の2/3(上限は30万円くらい)を貰えるのだけど、これの初回振り込みまでに3ヶ月くらいかかる。仮に毎月30万円ずつ消費していくとしたら100万円くらいは現金を持っておいたほうが良い。持ってないと、すべてリボ払いでやりくりすることになると思う。
休んでる間は現金を使いたくない、という消極的な気持ちになってしまって、育休中に車を買ったのだけど、今後どれだけ現金が必要になるか見通しがあまり立っていなかったので、全部ローンにしてしまった。仕事に復帰したので一括精算した。
育児休業給付金が振り込まれてから急に元気になったので、お金の心配が頭から離れず参っていた部分もあったと思う。

お金に関連して、育休を取ることにフォーカスしすぎて、育休をすぐに始めてしまうというミスがあった。何のことかわからないと思うけど、育児のために休めれば手段はなんでもいいので、育児休業の代わりに有給休暇が余ってたら先に使っていくこともできる。そうすれば出勤している扱いになり給料は2/3ではなく普通に支払われるし、会社の制度によるところだけど、休業期間が短くなるのでボーナスの支払期間も伸びる。うちの会社だと育児休業3ヶ月だと過去12ヶ月中9ヶ月働いている扱いになっていたのが、これを1ヶ月有給、育児休業2ヶ月、にすれば12ヶ月10ヶ月は働いている扱いになり、ボーナスが出ることがあれば8%くらい多く貰えたはず。何かあったときのために温存しておいたら意外と何もなく、今月末で有給が15日くらい余ったまま消えてしまうのでもったいないことをした。

時間について

育休中、家にいて仕事してないんだから無限に時間がありそうな気がするけど、全然そんなことはなくて、洗濯したりご飯の準備したり、買い出しに行ったり、模様替えしたり、子が泣き叫んで抱っこしたり、と、生活の維持に必要な時間が急増する。家事が完全に終わるときは基本的にない。
最初の頃は落ち着いてPCを見たり日記を書いたりできる時間が朝の4時台だけで大変だった。
お金と時間という人生における二大リソースの様子が急に変わるので暮らしの変化が大きい。

急に時間に余裕ができたタイミングがあって、それは意外なことにダイニングテーブルを買ったとき。これまでちゃぶ台で暮らしていたので、授乳しながら何かするのが困難だった。ダイニングテーブルなら授乳しながら食事できるので、物事がスムーズに進む。さらには、キャスター付きの椅子で授乳してもらうことで、家中をキャスターでコロコロ移動しながら授乳することもできるようになった。早く買っておけばよかった。

体力について

もともとインドア派で、体力はまったくない。
時間はあっても体力は尽きて何もできない、というタイミングが多々あった。ジムにでも通って体力をつけておければより良かったと思う。いまからでも筋力増やしておくかとフィットボクシングを再開したけどすぐやめてしまった。
昨日も家事やろう、やろうと思いつつ椅子から立ち上がれず、妻が全部やってくれた。
完璧を目指さず、皿は洗わなくてもいい、豆苗の水は変えなくてもいい、みたいな、おおらかな雰囲気になるとよいと思う。



復帰に向けて

3ヶ月の休みを経ていきなりフルタイムで働けるかが不安だった。復帰前に一度上司と面談してみたり、できれば徐々に戻る形にしたいって相談させてもらったりして、有給が余ってたので多めに使わせてもらうことにした。個人的には不安しかなかったけど、いまから働き始めて大丈夫かな、って妻と話したら、家を支えてほしいとのことだったので、それなら働いてみよう、と戻ることにした。
復帰後に使える制度としては、育児中に使える育児短時間勤務があったり、夜に働くのが難しい場合は時間外労働を断ったりできる。
ひとまずフルタイムで戻ってみて、これはだめだとなったら利用を検討するとよさそう。

復帰した

復帰初日はカレーを作り置きしたり、万全の体制で望んだけど、その後はそんなに備えられるわけではないので、やっぱりたいへんだった。仕事から家事に瞬間的に切り替える必要があり、そこの時間がずれると、子が風呂に入ったり寝たりミルクを飲んだりするタイミングに影響があるので、定時になった瞬間にただちに退勤したりしている。
初週に3日働いてみたら、久しぶりなので、めちゃくちゃに目が疲れたり、20時ごろには体力が尽きて晩御飯の準備の途中で、そうめんを茹でるのを諦めて寝てしまったりしていた。
持続できるくらいのペースを保とうと、最近は休憩を多めにとったりして、ゆったりできるよう調整してみている。
妻の体力が尽きて仮眠し、一方で子は起きてて機嫌わるいので子を抱っこしながら仕事、というパターンもあって、ミーティング中に子が叫んでいたらミュートしながら良いタイミングで発話したりしている。社内のミーティングならそれでいいけど、この調子で社外の方と面談とか面接は難しいかな、と思っている。

やっておいてよかったこと

時間はないとはいってもいろんなことをやっていた。

Instagramアカウントを作る

子の様子を紹介するInstagramのプライベートなアカウントを作って、親とか友達とかに様子を見てもらえるようにした。見返すといい感じな写真が並んでいる。Instagramのあの写真を見ましたよって親からメッセージが来たりして話のきっかけができるようになった。

キラキラシールを作る

出生祝のお返しに子のキラキラシールを作った。といっても妻がデザインとかデータ入稿とか全部やってくれた。Amazonの送り状のうち送り主部分をちょきちょき切って封筒に貼ると手間なく返送できる。お祝いを死ぬほどいただいたいので、300枚作って8割くらいはお返しに発送した。

家具を買う

家を買うじゃなくて家具。ダイニングテーブルも買ったし、引き出しを買って収納を増やしたり、ポップコーンメーカーを買って電子レンジでポップコーン作れるようにしたりとか、いろんな物資を調達した。働きながら何を買うか考えるのは大変なので、買い集めておいてよかった。

近所に出かける

緊急事態だったりしてあまり遠出はしなかったけど、近所にオープンしたホテルに泊まりに行ったり、ちょこちょこ出かけていた。育休中だいたい家にいるので、気分転換は大事。目的なく家の周りを歩き回ったりもした。

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近所のホテルの様子

やらなくてもよかったこと

口座を作る

子供名義の口座を作ったけど、いただいたお祝いを現金として保持しているだけで活用できてない。ジュニアNISA終了までまだ時間があるので、証券口座を作って投資信託を買っていこうと思っている。

印鑑を作る

口座を作るのに必要だったけど前述の通り口座なくてもよかったので印鑑作らなくても良かったと思う。

参考情報

この本は復帰直前に読んだけど、最初に読んでおけばよかった。知らないと損することをすべて知らないところから開始して、いろんな苦労を経て獲得した知識がだいたいこの本に記されていた。

blog.sushi.money


子供を育てることってどうなんですかね(どうとは?)、と思っていたけど、社会を維持するための活動であって大事なことなんだな、と納得した。仕事と家族どちらを優先するの、という話があるけど、全員が仕事を優先して家族が増えていかないと人類は滅びる。

blog.sushi.money

まとめ

育休の制度についてとか、いつ何をやるかとか自力で集めていたのでなかなか大変だったし、判断を失敗した部分もあった。
思いつくままに書いていったら長くなってしまったので普通の人は読む気がしないと思うけど、そのうちの一行でも、育休取ろうかな?取れるかな?と思ってる人の参考になれば幸いです。

追記

ブックマークコメントで有給休暇が15日残っているのを気にされていたので補足。
有給休暇は人によって使い切ってたり残ってたりしている印象です。
裁量労働制なので、ちょっと病院に行く、とか、ライブを見に行くので、みたいな場合には用事のある時間までは仕事してそのあと抜けていったりできていて、有給を使わずに日常生活をおくれています。
あとは自分は長いこと働いていて、有給が毎年20日ずつ付与されるのであまり使い切れていない、という事情もあります。
最近は休んでもすることがないので仕事していましたが、以前はまとめて1週間ほど休んで海外に行ったりとか、休もうと思えば周りや上司からは反発なく休める雰囲気です。

育休を取得してから復帰するまでのまとめ - hitode909の日記

有給が15日余って消えてしまうって書いてるけど、はてなってそういう雰囲気なのかな。あくまで権利だから取る義務は5日以上はないけど、周りが取らないと取りづらくなるよね。労働力のダンピングとの線引きがわからん

2021/07/22 10:57
b.hatena.ne.jp