サピエンス全史の人の本。
人間の進化について論じられていて、神を信じることで人と協力できるようになったり、資本主義を信じることで成長し続けることをよしとするようになったり、最終的にはデータ至上主義という考え方が登場する。すべてのデータをオープンにして共有することを信じる。
データを処理し続けると幸せになれるかというとよくわからない。休日中はゆったり過ごしているけど、平日は殺人的な忙しさで、わけわからない情報をやり取りしているとくたくたになって家に帰る暮らしをしている。
私が世の中のより大きな仕組みのどこに組み込まれているのか、あるいは自分が生み出すデータが他の何十億という人間やコンピューターが生み出すデータとどう結びつくのか、実際にはよくわかっていない。私にはそれを解明する時間はない。すべての電子メールに返信するのにあまりにも忙しいからだ。そして、私がより多くのデータをより効率良く処理する、すなわち、もっと多くのメールに返信し、もっと電話をかけ、もっと論説を書くと、周囲の人にますます多くのデータが殺到することになる。
良い暮らしになるかどうかはともかく、人類が目指す場所として「すべてのデータをオープンに共有する」というミッションを掲げて活動するというのは未来が提示されていて格好いい。普通の会社や集団は、その会社がいることで社会がどうなるのか、いまいち示せていないと思う。資本主義のもとに集まった集団なので、社会を良くすることではなくて収益を上げることが優先されている。
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/09/06
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る