hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方

DEEP WORKの本は読んだ人も多いと思う。前作では、気が散る通知を省いて仕事に集中する、という話だったのが、この本では、人生においてもスマホの通知や、タイムラインの無限スクロールに気を取られずに生きる方法について教えてくれる。


昔からテクノロジーとの距離感には苦労していて、中学校3年間はmsnメッセンジャーを見ていたら終わり、高校3年間は匿名掲示板を見ていたら終わった。大学はtwitterを見ていたら4年で出れず5年目に突入した。社会に出たらSlackを四六時中見ている。
スマートフォンはもともとiPodと電話が合体したものだったけど、ユーザーに向けてリコメンドした広告を見せると信じられないくらいに儲かることが発見されて、巨額の富が投入されている。その結果、現代では普通のスマホユーザーは多大な時間をSNSを見て過ごしている。
この本では、そのような依存状態から脱出するため、デジタル機器との関わりを最小にするためのプロセスを提案してくれる。
ラッダイト運動みたいに、電話を解約するとか、電気を捨てて自然に帰ることを推奨しているのではなくて、暮らしの手助けとなるような使い方を推奨しているのが良いと思った。


いまの自分の暮らしがどうであるか観察すると、満足に家事をできてない、考え事をする時間がない、もうすぐ仕事が再開する、と、とにかく時間がない状況になっている。
この本の言うとおり、スマホを漠然と見ている時間がもったいないなと思ったので、スマホから、twitterとかinstagramとか、漠然と眺めていたアプリをいくつか消してみた。
以前は、友達と花見するときに集合場所の連絡に使ったりしていたけど、そんな機会はしばらくは訪れないだろう。友達の近況を見たくなったら家でパソコンを開いて見ることする。LINEは残しているので、牛乳買ってきて、みたいなメッセージは受信できるようにしている。


もう一つ思い出したのは、以前は大量の情報を集めることがかっこいいとされた時代があって、10年前とかは、人々が数千件のフィードを読み漁ったりしていた。
数千件のブログや、ウェブ媒体はひきつづきこの世に存在しているけど、数千フィード読んでます、という人はあまり見なくなって、Googleが送ってくれるニュースとか、何らかのリコメンドされた結果の情報を見ている人が多いのではないかと思う。
自分で何を読むか決める、あのときの暮らしを続けていたら、もうちょっと読みたい情報に対して主体的に向き合えていて、時間がお金に切り売りされるような暮らしは脱却できていたかもしれない。すくなくとも、記事を選んで読む、ということに集中できていたと思う。週末の数時間を、フィードの未読消化に使っていて、漫然と読んでいる、といえばそのとおりだけど、注意を阻害するようなpush通知とか、いいねとか、そういうものは存在しなかった。


ツールに月額課金とかでお金を払うのではなくて、SNSに個人情報を渡すことでサービスの運用費をまかなおうとすると、どうしても、利用時間を伸ばせば収入が増えるので、サービス内に、依存性の強い構造を作ってしまうという構造になってしまう。すると、ツールはユーザーの目的を叶えるという立場ではなくて、ユーザーが本来やりたかったことはさておき、とにかく画面を開いてくださいよ、という機能が追加されていくことになる。
スマートフォンというと、賢い電話と言う名の通りに便利そうな印象だけど、純粋に便利なツールは、純正で入ってる電卓やコンパスなどのアプリか、個人開発者の趣味アプリくらいしか存在しなくて、大半はお金儲けの場、経済活動の場になっている。
それがいけない、ということではなくて、自覚したうえで立場を考えなくてはならないと思う。
個人の趣向としては、もし今後、ツールを作る機会があれば、ただ貴重な時間をいただいてお金儲けをするのではなくて、ユーザーが、そのツールを使って、人生の目標を達成できるようなツールや機能を作りたいなと思った。