hitode909の日記

以前はプログラミング日記でしたが、今は子育て日記です

ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する

ストーリーに関心が出てきたので読んだ。
人間はストーリーが好きで、人を支配できるストーリーの特徴として、現在進行系で暮らしにくっついてくる、という特性がある、というのがおもしろかった。
陰謀論は読んでいくと、最後には、現在の悪行の紹介になり、今すぐ立ち上がるんだ、みたいになる。
一方、地球温暖化については、わかりやすい悪と、今すぐこれをしよう、みたいなキャッチーさが低い。

リファクタリングガイド系の本を大量に読んでいたら、リファクタリングを繰り返すとコード行数がどんどん減っていき、最終的に0行になり、我々は何もせず、寝てるだけでお金が入ってくるんです、というストーリーを語れるようになる。あとは、ミニマリズムが好きで、選べるなら構成要素が小さい方を選ぶ。コードが減っていく、というストーリーと、個人開発がうまくいけば一発当てられる、という特性、冗長な暮らしではなく最小の物で暮らす、といったストーリーが組み合わされて、最終的にはソフトウェア開発者は月5万円くらいの収入を得られれば、あとは寝てるだけでいいという涅槃状態に到れる、そのために、現役時代はコツコツ働いているというのが、僕の立場。
ごつい設計の本を読んでたら、適切な設計を持ち込むと、人々がてんでばらばらの書き方をするんじゃなくて、誰が書いても同じ結果になり、混乱を避けられるんです、そのために記述量が増えてもいいんです、という立場もある。単方向なイベントを送ることしかできないような規約を入れてしまえば、ここからモデルを直接触ることはできなくなる、という制約が生まれるけど、記述量は増える。でもこれがいいよね、という立場だったり。
そういう、1日中考えてることは何?ということを聞けると、日頃行われる、個別のアウトプットや判断は元となるストーリーから引き出されているはずで、毎回、なにもない状態からうんうん考えているわけではないと思う。スタンスがわかっていれば会話しやすくなりそう。
てんでばらばらということは、インプットが足りず、考えなくてもいいことを考えているか、インプットが過剰で、軸足が定まってないか、といった分析ができそう。
ジョーカー的なキャラクターを理想としていて、毎回ちがうことを言うのがかっこいい、という価値観なんです、ということだったら、ああそうですか、となる。
だけど、実際に相手から信じていることを聞き出そうとすると、あなたの信じているストーリーは?と聞くわけにもいかず苦戦しそう。
チームビルディングや相互理解のためのワークショップなどが参考になりそう。