酒をやめてよかったと思うことの一つが、いかなる状態からでもいい感じになれる道を断って、試行錯誤を始められるようになったこと。
問題を酒で解決できると、嫌なことがあったときには、こんな日はヤケ酒だ!!と、とりあえず飲み始めてしまえば、なんとなくいい気分になれるし、部屋が散らかってても、まあ飲みながら片付けでもするか、と飲みはじめて片付けはしない、でも、まあ気分は良くなったのでいいでしょう、とか、祭が始まったらとりあえず酒、祭のクオリティはあまり気にしない、みたいなことがある。
これが、酒を飲まなければ、いい感じの状態になるには、別の手段を講じる必要が出てきて、ストレスの根源の問題に目を向けていくとか、家を片付けてスッキリさせるとか、いい感じのインテリアコーディネートをおこなって部屋の見た目を良くするとか、外に出て日に当たって気分を良くするとか、試行錯誤して、状況を良くすることで、実際に気分を良くする必要がある。祭の段取りが変だったら実行委員としてコミットして、良い祭にしていくとか。
これが仕事だったら、困ってるんです、というときに、そこは酒でカバーですな、みたいな話にはならなくて、問題を解決して先に進もう、となるはずで、仕事はちゃんとしているのに、プライベートの問題を酒で覆っているのは、暮らしをサボってると思う。
酒をやめてから、アルコールの力で気持ちを操作してオッケー、とできなくなったことで、改善すべきポイントとして目を向けられる箇所が広がったと思って、それは良い変化だったと思う。
最近は、ベランダでベビーリーフを育てていて、思い出したら水をかけて、自由な方向に伸びまくる様子を観察したりしている。
べつに葉っぱを食べたいわけではなくて、緑が目に入ったら気分が良いということだと思うので、次は、部屋にちょっとしたサボテンかなにか置いてみて、気分を良くしようかな、と考えている。
香りを楽しむのが主眼で、伝説のワインを飲んで、オオオ……とか言って、このワインからは、奈良の金剛力士像の木材を削った香りがします!!!とか評論するのが趣味なら、ワインの探索とか、やり甲斐がおもしろそうだけど、自分の場合はそういう有益な感じの飲酒にはならなくて、とにかくいい感じの状態になってtwitterを楽しむ、とか、とにかく大量に飲むことを試みて、翌日なにもできない、とか、1秒でも長い時間飲んでいい感じになることを求めて、24時間営業の定食屋など、朝から飲める環境を追い求める、いうことが多くて、問題があった。