お腹すいた、と言われたときに、返事の抽象度はいろいろあって、人間はプロテインがなければ生きてはいけない、みたいに突然、栄養素の話をする、あるいは、チーズバーガーを食え、みたいな具体的なメニューの話をする。どちらも期待される返答ではなくて、視点が俯瞰的すぎたり、詳細に立ち寄りすぎていたりする。
仕事していても話の抽象度のレベルが合ってないときに混乱が生まれることがある。
具体的な質問に対して抽象的に答えると、ぶっきらぼうな印象になってしまう。ここに問題がありそう、と相談されたときに、そもそもトラブルシューティングとは、みたいな話をすると、そんな話は期待されてないんですけど、となってしまう。
逆に、今後のキャリアプランで迷ってるんです、みたいなときに、はい、では今週はこの仕事よろしく、みたいに急に具体的になると、話が通じない。禅の師匠との対話はこういうパターンが多い印象で。謎の具体的なアドバイスに従うと、ある日突然、大局的な視座を得られる、みたいな。日常生活でやられると迷惑だと思う。
話が噛み合わないときには、普段話し合ってない人と話すときが多くて、この人がこれくらいのことを言っているときはこれくらいの抽象度のことを話している、という読み解きが間違っているとうまくいかないことが多いと思う。アイスブレイク的な何かを挟んですり合わせていくのが大事そうだけど、どれくらいアイスブレイクすればすりあったとみなさるかの見極めも難しい。